前世日本の女子高生は、貴族令嬢のカタリナ・クラエスとして転生しました。
死ぬ少し前までプレイしていた乙女ゲー『FORTUNE・LOVER』の世界で、悪役令嬢として。
けれど記憶が蘇ったということは、女子高生だった人格も蘇ったということ。
ヒロインに嫌がらせをして犯罪者として国外追放されるような、ゲーム通りの悪役キャラとは違います。
ではどう変わったかというと…
攻略対象のジオルド王子、その弟アラン王子、その婚約者メアリ、義弟キース。
同じ小説趣味仲間のソフィア、その兄ニコル。
彼らをまるっとヒロインより先に攻略してしまったのでした!(笑)
この世界で魔力を持つ子供たちは必ず15歳で国営の魔法学校へ進まなければなりません。
全寮制で魔力のコントロールを2年間みっちり学ぶのは義務。
ヒロインが入学してきて攻略対象と出会い、カタリナが断罪されるイベントの起こる舞台でもあります。
ゲームとは違う展開でヒロインが加わった乙女ゲー世界は、一体どうなってしまうのでしょうか?
意地悪どころか農作業するカタリナの結末をネタバレします!
はめふら【2巻】のネタバレ!
魔法学校に入学しました
8歳で前世の記憶を思い出し、悪役令嬢カタリナ・クラエスの破滅フラグを折るべく頓珍漢な行動に出てきた前世女子高生のカタリナ。
ついに乙女ゲーの始まる15歳となり、攻略対象たちと共に魔法学校へ入学する時期になりました。
身分こそ公爵令嬢ですが、農作業して土と対話しても土ボコ程度しか成長しなかった魔力。
華々しい魔力を保持する友人たちは生徒会メンバーとなり、道が分かたれるか…と思えばカタリナに執着する彼らに囲われ、生徒会室でおやつを与えられ入り浸ることになるのでした。
平民ながら珍しい光の魔力を持つヒロイン、マリア・キャンベルも生徒会入り。
美少女ぶりに慄きつつも各攻略対象に出会いイベントを聞いてみると、順調にこなしている様子。
恋の発生関係が念頭にあるカタリナはそれを誤解しますが、山猿姿を既に婚約者で見ているジオルド王子が木登りするヒロインを見ても何も感じる筈がなく、他の攻略対象たちも同じなのでした。
乙女ゲーヒロイン、マリア・キャンベル
生徒会メンバーは、新入生のジオルド王子・アラン王子・キース・メアリ・ソフィア、副会長に1年先輩のニコルと会長、そしてマリア。友人たちの交渉によってカタリナが例外的に生徒会室の出入りを許可されています。
そんな中でカタリナは何をしているかというと…紅茶を淹れるのが得意な会長様にお茶をサーブされ、お菓子作りの得意なヒロイン、マリアの焼き菓子を絶賛していました(笑)
思い返せばメアリともソフィアとも出会ったのは、茶会。食べ過ぎてトイレに走る途中と帰りに行き会ったわけで、カタリナは根っからの甘味好きなんですよね。
しかも素朴な焼き菓子は平民風らしいので、マリアの作るものは前世以来。欲望のままに貪り食って、身分の貴賤なく美味しい美味しいと褒めるカタリナ。
ゲーム上では悪役令嬢とヒロインという敵対関係なわけですが、希有な魔力のせいでいきなり上流階級オンリーの学園に突っ込まれているという孤独な事情がマリアには存在します。
身分で蔑まれ、友人の一人もいない。
趣味のお菓子作りは、貴族は食べない焼き菓子。
一般生徒にやっかまれ、地面に落とされる菓子。
そこに攻略対象ではなく、颯爽と現われ彼女の努力を認めてもらえたら? 落ちたお菓子も笑顔で食べて、味を褒めてもらえたら? ――落ちますよね、カタリナに。
というわけでヒロイン登場したものの、誰も攻略せずにカタリナに攻略されました!(笑)
夏休みのカタリナとヒロイン
乙女ゲー登場人物の、ヒロインと攻略対象者たちと、その婚約者たちと悪役令嬢。
一般的に見てどう考えても和気藹々とは言えない面々がカタリナ過激派という一団になったことで、揉め事と言えば水面下で悪役令嬢を取り合うメンバーとなってしまいました。
が、そこには仲間や友人という、本来の設定にはない絆が存在します。
学園生活はとても順調で、ついに夏休みに入りました。
まだ破滅エンドを恐れているカタリナは平民に落とされた時のために本物の畑を見ておきたくて、キースを引き連れ平民の住まう地方へ。偶然にもそこはマリアの生まれ故郷でした。
挨拶をばと出向いてみれば母親が出迎えてくれましたが、彼女は貴族令嬢の訪問と娘の菓子作りと評価を聞いてとても驚くのです。
ゲーム上ではけして明らかになることはない母親視点の語りで、娘の魔力の発露で崩壊する家庭や母と娘の関係問題が明るみに出ます。本題とは関係がない話ですがなかなかに重く、かつ無邪気に問題解決するカタリナのすごさがよくわかる話になっていますよ。
その後マリアも帰宅すると憚りのあった母娘関係も変わる様子が描かれていて、乙女ゲーとか関係なしにリアリティのある家族関係に胸に残るものがありました。
斜め上方向から訪れた破滅
タイトルにあるように、悪役令嬢にとって乙女ゲーは破滅展開が免れないものです。
しかし多くのバッドエンドにある恋愛どうこうのフラグは既に彼女自身の言動でボッキリ折られているはず。
そんな時に、ゲームを紹介してくれた友人とかつてした会話が意味深に夢で現われました。
それはどのゲームにもよく見られる、隠しキャラの存在。オタ友のあっちゃんは既にコンプリートしていたので、からかい混じりに教えてくれていたのでした。
起きて学園に出向いたカタリナは、ヒロインとの仲も良好なのにゲームで見たイベントにぶち当たります。
いじめてもいないのに証拠があると、断罪する女生徒たち。
記憶とダブる展開に呆気にとられるカタリナですが、今や絆が出来上がってる友人たちは信じて優れた頭脳で疑いを晴らしてくれました。
しかし、問題は女生徒たちを操った真犯人が掴めません。
何かに気付いたマリアが行方不明となって、更にはカタリナも深い深いに眠りについてしまうのでした…。
涙する友人たちと、破滅フラグと
闇に捕らわれ、そうしてついにはあっちゃんの言葉を思い出したカタリナ。
これまで忘れていた隠しキャラの設定と、彼のエンドはカタリナどころか全キャラ死亡という救いのないものだと真の破滅フラグの存在に冷や汗を流します。
そう、すべての犯人は目の前で自分に紅茶を淹れてくれている優しげな会長。
みんなにしていたように手を差し伸ばしたものの、死ぬまで眠り続ける闇の魔法をかけられて彼女は意識を失いました。
攻略対象も、その婚約者たちも、侍女という身近な人たちも。全員が目覚めないカタリナに嘆きます。
前世と同じく女子高生に戻って生活する夢を見ている彼女を目覚めさせたのは、あっちゃん。何と彼女は現・ソフィア。夢で再会を果たし、カタリナに今世を思い出させたのでした。
そうしてもう一つ、彼女は重要な言葉を残してくれました。カタリナが未プレイで知らない隠しキャラの情報です。
目覚めた彼女は涙する友人に囲まれながら、あんなバッドエンドには絶対させないと誓い動き出しました。
マリアを救助し、偽りの名で傍にいた会長に真の名で語りかけ、母を生贄にされて殺され、自分も道具にされた復讐に取り憑かれていた心を救い出します。
これで破滅フラグは全消滅。残る乙女ゲームイベントはヒロインの攻略が決定する卒業パーティのみですね。
乙女ゲー最終イベント
無事、隠しキャラによる最大級危険なフラグを折ってみせたカタリナ。
とはいえ最終的にエンディングが決まるのは、ヒロインの攻略相手が決定する卒業式の日です。
卒業するのは1つ上のニコル。ここで誰と抜け出すかで、マリアの相手がハッキリします。
しかし誰とも去らず、カタリナの横でニコニコしているヒロイン、マリア。
まさか逆ハーレムルートか!? と思えば、何故かカタリナを中心に揉め始める友人たち…そう、逆ハーレムになっているのは悪役令嬢キャラだったカタリナでした!(笑)
未だにヒロインはマリアで自分は破滅フラグしかない悪役令嬢と思い込んでいるカタリナ。
結局ニブい彼女は、エンディングとなる卒業パーティになっても真実には気付かないまま。
しかし破滅フラグにビクビクしていた生活は、もうこれで終わりなんです。
友人に囲まれて幸せいっぱいなカタリナは、次の3巻でようやく林立する恋愛フラグに気付く! …かも??
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はめふら【2巻】の感想/考察
乙女ゲームはキャラクター同士の立ち位置がハッキリしています。
プレイヤーは当然ヒロイン。攻略する魅力的な男性陣がいて、それを邪魔するのが彼らの婚約者。
ヒロインと女の友情築くなら”悪役”令嬢なんて付きませんよね?
正直、悪役令嬢が主人公の小説は今や珍しくも何ともありません。
しかし内容は大抵殺伐としたざまぁ系。ギリギリに追い込まれた悪役令嬢の復讐譚がほとんどでは?
だからこそカタリナの惚けた言動は目を惹き、読後感が他に爽やかさがあると病みつきになるのでしょう。
乙女ゲー市場を開拓され尽くしたから悪役令嬢に目がいき、同情や待遇改善ネタが流行したのだと思います。
そうして胸がスカッとする展開が次に開拓され尽くし、それ以外を求められ、カタリナという新しい悪役令嬢の姿が飛び抜けて魅力的に見えるのでしょうね。
小説から始まったカタリナの物語はコミカライズされ、そして次に動いて話す、アニメへと広がりを見せています。
どのメディアも面白いけれど、ぜひ発端となった小説もお読み下さい。
最初はイラストも何もなかったカタリナたちですが、とてもとてもイキイキとしていますから。
世界を構築されただけだあって、原作者様の文章はちょっとしたオマケ文まで最高に面白いですよ。
恋愛面の充実も今後は増えていきます。男女問わず魅了していくカタリナがもっとも甘い展開になるのは――?
そんな推理もしてみて下さいね。
まとめ
魔法も剣もある、中世ヨーロッパのような世界に生まれたカタリナ・クラエス。
傷を負う怪我をしたことで、子供のうちに前世の記憶が蘇ります。
それは日本の普通の女子高生だったというもの。
しかも、今世生きるこの世界は、前世プレイした乙女ゲー世界です。
そして、自分はヒロインをいじめていじめていじめ尽くして最終的に断罪される、悪役令嬢!
前世は1キャラクターでも、今世は生死と生活を賭けた破滅フラグです。
何とか生き残らねば! と足掻こうとして…あらら?
婚約者には気に入られ、他の攻略対象に興味関心を持たれ、何故かその婚約者たちからも慕われることに。ゲームの舞台は、学園に入ってヒロインに出会ってから。
しかしそこでもヒロインの焼き菓子を堪能し、慕われて…仲良くなっちゃった?
ヒロインの攻略相手も、攻略対象者たちの思い人もカタリナはわからないまま、来る断罪イベントに備えます。
追放されたら農作業して生きていくつもりで、畑を耕し親に怒られ婚約者を爆笑させ義弟を呆れ返らせて。
実は、カタリナの逆ハーレム状態になってる自覚はないままに、ゲームの終盤へ。
これは悪役令嬢だけど、愛されキャラのカタリナが前世感覚で周囲を攻略していくストーリーです。